轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さいのひみつばこ

妻の秘密筥

佐々木 邦

「現代」大日本雄辯會講談社、1939(昭和14)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,212 字 · 25 页

青空文庫

「仕方がないんだ。僕について来るんだから」

と但馬君も持て余している。喧嘩をしても、受験生時代に同じ予備校へ通った古馴染だから振り切れない。

「除名といっても、別に会則のある会じゃない。広瀬君の批評も他山の石と思って容れてやるさ。この間は『君達を尊敬する余り、余技なく会に出るんだ』と苦しい洒落を言っていたから分を弁えているんだろう」

と僕は寧ろ広瀬君の味方だ。

広瀬君がいないと、木寺君が文展の審査委員、海野君が観世さん、但馬君が日本一の登山家の気になって気焔を揚げるから、僕が迷惑する。しかし広瀬君の高等批評には甚だ辛辣なものがある。三人が厭がるのも無理はない。広瀬君の見るところによると、木寺君の油絵は童画を臆面もなく最後まで描き上げたものだ。心臓画だ。普通常識を具備した人間なら中途で拙いと気がついてやめてしまう。或作品は心臓画を通り越して、心臓のない人の絵を想像させる。若し木寺君が憤らなければ、二科の絵の多くは類人猿の描いた絵だとまで言いたいというのである。木寺君もムッとしたようだったが、そこは華胄の出だ。思うことが言えない。

「広瀬君は絵の約束が分っていないんだな。