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ふじんのそうぞうりょく
婦人の創造力
宮本 百合子
「宮本百合子全集 第十一巻」河出書房、1952(昭和27)年5月発行
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,667 字 · 31 页
それをどういう風にジャーナリズムの関係では利用されたか、豊田さんは「綴方教室」で有名になったけれども、本当にあの人を立派な作家として育てて行くために何をしたでしょう。中央公論社は小説を出して儲けて社会的の一つの機会を与えただけで後はそのままです。野沢富美子さんの「煉瓦女工」はこの頃になって映画にもなっているけれども、第一公論社は野沢さんを食ったような所があります。そういう風にして、立派な才能、或はよくなる才能でも、商売と結びついた文学の中では非常に純粋に立派に伸ばすという真面目な気持をもって扱われにくい。商売の本性はそういうものです。
それがもっと悲惨なことになったのは、婦人の文学ばかりではありませんけれども、戦争が始まって以後、最近の終戦までの間の文学です。この間の日本の文学の在り方はどうであったか。作家が腰抜けだったということもいえます。しかし日本の作家はヨーロッパの作家よりも日本の経済基礎が薄弱なため文学上の経済的条件が悪いからその日暮しです。家族を養って行くためには食わねばならぬ。食うためには、月給取ではないから書かねばならない。書くのは何か、天に向って書くわけではない。