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ふじんもんだいかいけつのきゅうむ

婦人問題解決の急務

大隈 重信

「新日本 第七巻第八号」冨山房、1917(大正6)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,495 字 · 22 页

青空文庫

これに依ってこれを見れば、婦人の解放は風俗上より熟考すべき一問題である。

日本は従来比較的厳格なる封建制度を以て民風の廃頽を制しつつ来たものであるけれども、而かもなお十分にこれを制するを得ずして幾多の悪風を醸したが、かくの如きは畢竟婦人を人間として男子と同じき人格者と認めず、外に出でて具体的に多数の者と交わることを許さぬためである。もっとも婦人をしてこの域に達せしむるには十分なる教育が必要であるが、昔は教育は婦人に有害なりとのみ認め、女は己を愛する者のために容るという語も有る如く、女子はただ男子を慰藉するためにのみこの世に存在するものと認められていたから致方ない。而してこの極まるところは、ついに婦人をして虚偽の道徳を守らしむるに至ったのである。外敵に苦しめらるる国民は嘘を言うという事だが、これには至理が存し、女子は初中終男子なる内敵に苦しめられているから、ついには嘘が上手になる。嘘というと一概にこれを賤しむるが、嘘は常に弱者にとっての唯一の武器である。例せばここに貪官汚吏あって苛斂誅求を事とし、一村に対して一万円の負担を命ずる事ある場合に、仮りにその村民をしてその官吏に対し五千円の賄賂を贈り、彼をしてその誅求を思い止らしむることが出来たとしたならば如何であるか。