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ふじんもんだいかいけつのきゅうむ

婦人問題解決の急務

大隈 重信

「新日本 第七巻第八号」冨山房、1917(大正6)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,495 字 · 22 页

青空文庫

一 風俗の根本は夫婦に在り

一 風俗の根本は夫婦に在り

人類の進化は風俗に支配さるること大である。而して風俗の根本は、主として宗教的意識より導かれるもので、宗教の原始的意識は昔の神話に現れ、その神話が漸次に進化して、多神教より一神教となるに至ったが、風俗の進化は即ちこの宗教の進化と相伴っている。人類は社会的動物であって離鮮索居の孤寂が忍び難く、友を求めて共に歓楽するを喜ぶ。その故にここに風俗なるものが形成される。而してそれが宗教的生活と深い因縁を結ぶは何故ぞというに、元来宗教的意識なるものはあるいは神を恐れ、あるいは超自然的の力を信ずる事に存するので、そのために自己もしくは自己の家族、更に自己の民族のために、あるいは災害を免れんことを祈り、あるいは幸福安全を与えられんことを祈るに至るのだが、その祈りは一人よりも二人、二人よりも三人と言うが如く、衆を加うれば加うるほど力を生ずるように感ずることは人情の自然である。これが即ち寺院教会等の起源を為すもので、宗教も畢竟社会現象の一たるものだ。然るに社会的生活には、多少その間に娯楽なき能わず。ここに於て、歌舞音曲がいずれの国、いずれの派の宗教にも必然に具在するので、原始時代よりその如く、今にもその原始的生活を持続する野蛮の間にそれが見出される。