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ふじんもんだいかいけつのきゅうむ

婦人問題解決の急務

大隈 重信

「新日本 第七巻第八号」冨山房、1917(大正6)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,495 字 · 22 页

青空文庫

二 この問題の解決を何故に怠れるか

支那の古代はかくの如く音楽に重きを置いたから、自ずからその雅正なるものの発達を見たのであるが、今や次第に衰滅し音楽と称すべきものの残存するものいくばくもなく、僅かに郢風鄭声に適する月琴の類があって、その花柳に弄ばれているくらいのものである。日本とてもまた同じく、一時雅楽は平安朝の宗教全盛期と共に大いに起ったけれども、僅かに三、四曲の大阪の天王寺辺にその余韻を止むるばかりで、その他は全く亡び了り、淫猥なる三味線がもっぱら温柔郷裡に跋扈し、緑酒紅灯の間を周旋するに止まる。琴曲ことごとく雅正ならずといえども、これを三味線に比すれば優にその選を異にするが、これの中流以上の家庭に幾分残存するのがせめてもの幸いである。国を憂うるの士は須らくこの間に瞑目一番、潜思すべきである。

二 この問題の解決を何故に怠れるか

風俗の本は家に在る。日本は特に古来家族制度が発流して、今なおその遺風を守っているが、日本のみでなく世界至る処、風俗の本は家に在る。而して家の本は夫婦であるから、自ずから風俗の本は更に夫婦であるという結論になる。人倫は端を夫婦に発する。神話的に見るも日本には伊弉諾、伊弉冉の両尊がこの民族の始祖たる如く、基督教でいえばアダム、エブの二人が吾人人類の始祖である。