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おんなけいず

婦系図

泉 鏡花

「やまと新聞」1907(明治40)年1~4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 172,760 字 · 343 页

青空文庫

同じ文学士河野英吉の親友で、待合では世話になり、学校では世話をする(蝦茶と緋縮緬の交換だ。)と主税が憤った一人である。

この編の記者は、教頭氏、君に因って、男性を形容するに、留南奇の薫馥郁としてと云う、創作的文字をここに挟み得ることを感謝しよう。勿論、その香の、二十世紀であるのは言うまでもない。

お妙は、扉に半身を隠して留まる。小使はそのまま向うへ行過ぎる。

閑耕は、キラリ目金を向けて、じろりと見ると、目を細うして、髯の尖をピンと立てた、頤が円い。

「こちらへ、」

と鷹揚に云って、再び済まして書見に及ぶ。

お妙は扉に附着いたなりで、入口を左へ立って、本の包みを抱いたまま、しとやかに会釈をしたが、あえてそれよりは進まなかった。

「こちらへ。」と無造作なように、今度は書見のまま声をかけたが、落着かれず、またひょいと目を上げると、その発奮で目金が躍る。

頬桁へ両手をぴったり、慌てて目金の柄を、鼻筋へ揉込むと、睫毛を圧え込んで、驚いて、指の尖を潜らして、瞼を擦って、

「は、は、は、」と無意味な笑方をしたが、向直って真面目な顔で、

「どうですな。」

四十七