轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おんなけいず

婦系図

泉 鏡花

「やまと新聞」1907(明治40)年1~4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 172,760 字 · 343 页

青空文庫

」

急いた声で賺すがごとく、顔を附着けて云うのを聞いて、お妙は立留まって、おとなしく頷いたが、(許す。)の態度で、しかも優しかった。

「ああ。」と、安堵の溜息を一所にして、教頭は室の真中に、ぼんやりと突立つ。

河野の姿が、横ざまに飛んで、あたふた先へ立って扉を開いて控えたのと、擦違いに、お妙は衝と抜けて、顔に当てた袖を落した。

雨を帯びたる海棠に、廊下の埃は鎮まって、正午過の早や蔭になったが、打向いたる式台の、戸外は麗な日なのである。

ト押重って、木の実の生った状に顔を並べて、斉しくお妙を見送った、四ツの髯の粘り加減は、蛞蝓の這うにこそ。

真砂町の家へ帰ると、玄関には書生が居て、送迎いの手数を掛けるから、いつも素通りにして、横の木戸をトンと押して、水口から庭へ廻って、縁側へ飛上るのが例で。

さしむき今日あたりは、飛石を踏んだまま、母様御飯、と遣って、何ですね、唯今も言わないで、と躾められそうな処。

そうではなかった。

例の通りで、庭へ入ると、母様は風邪が長引いたので、もう大概は快いが、まだちっと寒気がする肩つきで、寝着の上に、縞の羽織を羽織って、珍らしい櫛巻で、面窶れがした上に、色が抜けるほど白くなって、品の可いのが媚かしい。