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こどものためにかくははたち
子供のために書く母たち
宮本 百合子
「村の月夜」にふれつつ
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,425 字 · 9 页
「おちば」は、やや長じた子供らに、社会の現実生活を感じさせ得るであろう。「おちば」や「御褒美」には、子供が大人の生活に混ってくる道どりやそこでの日常的な労作への結合の必要を暗示している作者の目がある。この作者としてこの「村の月夜」は第一歩の仕事であり、作品の内容も従来のお伽噺とは全く異った現実日常生活からの面白いお話への試みが示されているのである。
私は、こういう境遇にいる一人の母である作者が、永い将来の努力によって、次第に子供のための文学として、質量ともに逞しい生産をされることを切望する。その期待につれ、「村の月夜」で、私に印象された一つの疑問に触れたい。それは、この作者が、「おちば」などの背後に、社会の現実を正面から見とおしてゆこうとしているまじめな目を暗示させながら、なお、子供の世界に一種の大人としての美しさというか、品のよさというか、そういうものを外からもちこんでいる箇所がないではないことである。主として、用語の上に、この作者の微妙な内部的の複雑さが現れている。たとえば、作者は、「花」を「お花」といい「空」を「お空」といっている。何故「お」