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がくせいじだい

学生時代

幸田 露伴

「中學文藝」1906(明治39)年6月臨時増刊

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,596 字 · 5 页

青空文庫

たのです。

併し自修ばかりでは一人合点で済まして居て大間違いをして居る事があるものですから、そこで輪講という事が行われる。それは毎日輪講の書が変って一週間目にまた旧の書を輪講するというようになって居るのです。即ち月曜日には孟子、火曜日には詩経、水曜日には大学、木曜日には文章規範、金曜日には何、土曜日には何というようになって居るので、易いものは学力の低い人達の為、むずかしいものは学力の発達して居るもののためという理窟なのです。それで順番に各自が宛がわれた章を講ずる、間違って居ると他のものが突込む、論争をする、先生が判断する、間違って居た方は黒玉を帳面に記されるという訳なのです。ですから、「彼奴高慢な顔をして、出来も仕無い癖にエラがって居る、一つ苦しめて遣れ」というような事ですから、今思い出すとおかしくてならんような争い方を仕たものです。或る一人が他の一人を窘めようと思って、非常に字引を調べて――勿論平常から字引をよく調べる男でしたが、文字の成立まで調べて置いて、そして敵が講じ了るのを待ち兼ねて、難問の箭を放ちました。何様も十分調べて置いてシツッコク文字論をするので講者は大に窘められたのでしたが、余り窘められたのでやがて昂然として難者に対って、「僕は読書ただ其の大略を領すれば足りるので、句読訓詁の事などはどう