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うちゅうせんぺい

宇宙尖兵

海野 十三

「新青年」1943(昭和18)年7月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,974 字 · 72 页

青空文庫

「おれもそれを祈っているところだ」

魚戸はそういった後で、暗示を受けたようにぶるっと肩を慄わすと、展望窓から下をのぞきこんだ。と、彼は悲鳴に似た声をあげた。

「あっ、始まっている……」

「ええっ」

僕は魚戸の横にとんでいって、欄干越しに窓の下方を見た。ああ、たしかに始まっていた。宇宙墓地の方に向って、蜿蜒と続いて流れ込んでいく夥しい棺桶の列と家具の流れ。そのあとにぽつんぽつんと、落葉のように身体を曲げながら人間が続いていく。彼らは、艇側を離れると、何かを掴もうとするように手足をやけにばたばたさせるが、しばらく経つと四肢をぴんと張って、奴凧のような恰好になり、それから先は板のように硬直して空間をしずかに流れていくのだった。

「……十五、十六、十七……」

と、魚戸は数を数えている。捨てられゆく発狂者を数えているのだろう。

僕は魚戸のように落着いていることができず、その場にぺったり坐って、両腕の中に頭を抱えた。

「二十一、二十二、二十三……」

魚戸は数え続ける。僕は気の毒なベラン氏がその中に加わっていないことを一生けんめい祈り続けた。

「……三十七、三十八、三十九。