轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かていのひとへ
家庭の人へ
寺田 寅彦
「家庭」1931(昭和6)年6月(風呂の寒暖計)、12月(こわいものの征服)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,527 字 · 9 页
あろうと思われる。普通教育にも理科の課程がかなり豊富にあるようであるから、それがよく呑み込めていれば、それだけでも一通りはかなり役に立つべきはずであるが、実際それがそうでないのは、教える方と教わる方と両方に罪があるであろう。教程や教授法にも改良の余地が沢山にあるように思われるが、第一教わる方に心掛けと興味がなければ結局何の効果もない訳である。この興味と心掛けはどこから生れるか。これが一番重大な問題である。一つには国民性もあるかもしれないが、また一つには幼い頃からの家庭の教育に最も多く影響されるであろうと思われる。これについては特に母となる人達の理化学的知識に対する理解と興味の水準をもう少し引上げることが肝要であろうと思われる。科学に対する興味を養成するには、六かしくて嘘だらけの通俗科学書や浅薄で中味のないいわゆる科学雑誌などを読んでもたいして効能はない。むしろ日常身辺の自分に最も親しい物質の世界の事柄を深く注目し静かに観察してその事柄の真相をつき止めようという人間本然の傾向を助長し発育させるのが第一の近道であろう。それの手始めには、例えば風呂場に一本の寒暖計を備えるのも一策である。