轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
からすうりのはなとが
寺田寅彦随筆集 第三巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第三巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:からすうりの花と蛾、火山の名について、日常身辺の物理的諸問題、量的と質的と統計的と、物理学圏外の物理的現象、ロプ・ノールその他、青衣童女像、カメラをさげて、連句雑俎、ラジオ・モンタージュ、青磁のモンタージュ、読書の今昔、映画の世界像、「手首」の問題、映画雑感(Ⅰ)、生ける人形、映画芸術、音楽的映画としての「ラヴ・ミ・トゥナイト」、俳諧の本質的概論、夏目漱石先生の追憶、田丸先生の追憶。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 213,804 字 · 425 页
どうもはなはだふに落ちない不都合な話だと思ったのであったが、しかし翻ってこれを善意に解釈してみると、やはり役人たちがめいめい思い思いの赤誠の自我を無理押しし合ったのでは役所という有機的な機関が円滑に運転しないから困るという意味であるらしい。役所でも会社でも言わば一つのオーケストラのようなものであってみれば、そのメンバーが堅い手首でめいめい勝手にはげしい轢音を放散しては困るであろうと思われる。悪く言えば「要領よくごまかす」というはなはだ不祥なことが、よく言えば一つの交響楽の演奏をするということにもなりうる。めいめいがソロをきかせるつもりでは成り立たないのである。
中学時代にはよく「おれは何々主義だ」と言って力こぶを入れることがはやった。かぼちゃを食わぬ主義や、いがくり頭で通す主義や、無帽主義などというのは愛嬌もあるが、しかし他人の迷惑を考慮に入れない主義もあった。たとえば風呂に入らぬ主義などがそれである。年を取って後までも中学時代に仕入れたそういう種類の主義に義理を立てて忠実に守りつづけて来た人もまれにはあった。これらは珍しい手首の堅い人であろう。