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からすうりのはなとが
寺田寅彦随筆集 第三巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第三巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:からすうりの花と蛾、火山の名について、日常身辺の物理的諸問題、量的と質的と統計的と、物理学圏外の物理的現象、ロプ・ノールその他、青衣童女像、カメラをさげて、連句雑俎、ラジオ・モンタージュ、青磁のモンタージュ、読書の今昔、映画の世界像、「手首」の問題、映画雑感(Ⅰ)、生ける人形、映画芸術、音楽的映画としての「ラヴ・ミ・トゥナイト」、俳諧の本質的概論、夏目漱石先生の追憶、田丸先生の追憶。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 213,804 字 · 425 页
そう想像することによって隊員の忍苦の長い時間的経過を味わうことができる。
バードが極飛行から無事に屯営に帰って来たのを皆が狂喜して迎え、機上から人々の肩の上にかつぎ上げて連れてくる。その時バードの愛犬が主人に飛びつこう飛びつこうとするのだが人々にさえぎられて近寄れず不平でむやみに駆け回っているがだれも問題にしてくれない。これもおもしろい場面である。それからバードが宿舎にはいってくるとたれかが熱いコーヒー(?)を一杯持ってくる。それを一口飲んだ時の頬の筋肉の動きにちょっと説明のできない真実味があると思った。
病犬を射殺するやや感傷的な場面がある。行きには人と犬との足跡のついた同じ道を帰りはただ人だけが帰ってくるのである。安価な感傷と評した人もあったがしかしそれがかなりな真実味をもって表現されている。殺す相談をして雪の中に立っている四人の姿がよくできている。
この映画ではそのほかにも犬が非常に活躍していて、この映画の現実味を助けている。地質学者の一隊が中継ぎのステーションへ向かって突進する、その荷物を橇で引いて行く犬群の頼もしく勇ましい姿は何かしらわれわれの心の奥底に触れる美しさをもっている。