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からすうりのはなとが
寺田寅彦随筆集 第三巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第三巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:からすうりの花と蛾、火山の名について、日常身辺の物理的諸問題、量的と質的と統計的と、物理学圏外の物理的現象、ロプ・ノールその他、青衣童女像、カメラをさげて、連句雑俎、ラジオ・モンタージュ、青磁のモンタージュ、読書の今昔、映画の世界像、「手首」の問題、映画雑感(Ⅰ)、生ける人形、映画芸術、音楽的映画としての「ラヴ・ミ・トゥナイト」、俳諧の本質的概論、夏目漱石先生の追憶、田丸先生の追憶。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 213,804 字 · 425 页
の象徴としてかなりに強い効果をもっていたようである。
「西部戦線異状なし」は、今日の映画としては、別にこれといって頭に残るほどのものもなかったようである。ただあまりわざとらしいような芝居が割合に少なく思われたのは成効かもしれない。河畔の営舎の昼飯後の場面が、どこかのどかでものうげで、そうして日光がまぶしいといったような気持ちをだしている。そこにかえって「裏側から見た戦争」というものがわりによく出ているようである。こういう所のおもしろみはやはり映画にのみ可能なものであろう。そうして、言葉の説明でつかまえようとするとふいと消えてしまう不思議なかげろうのようなものである。それでいて、もっとも確実に見る人の心を動かす動力となりうるものである。一口でいってしまえるような効果だけを並べようとした映画はどうもおもしろくないようである。この点で存外ロシア、ドイツのえらい理論家たちがかえってアメリカへんの「純無意義映画」から新しい「火」をもらってくる必要がありはしないかという気がする。
(昭和五年十一―十二月、東京帝国大学新聞)
二
「モロッコ」という発声映画を見た。