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あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第五巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:あひると猿、疑問と空想、映画と生理、映画雑感(Ⅲ)、映画雑感(Ⅳ)、災難雑考、三斜晶系、糸車、詩と官能、自由画稿、小浅間、小爆発二件、地図をながめて、天災と国防、日本人の自然観、破片、俳句の型式とその進化、俳句の精神、物売りの声、B教授の死。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 194,515 字 · 389 页
しかし神の取り合わせた顔と腕にはそうした簡単な相関はどうもないように見える。
食堂の入り口をながめているとさまざまの人の群れが入り込んで来る中に、よくおかあさんとお嬢さんとの一対が見られる。そうして多くの場合おかあさんよりもお嬢さんのほうが背が高く、そうしていばっているような気がする。おかあさんのほうが下手に出て何か相談しかけるとお嬢さんのほうはふんふんと鼻であしらって高圧的に出る、そういったのがよく目につく。もし代々娘のほうが母親よりも身長が一割高くなると仮定すると七八代で二倍になる勘定である、そうなったらたいへんであるがしかしこれは現代の過渡期に特有な現象であろうかと思われる。
五 百貨店の先祖
百貨店の前身は勧工場である。新橋や上野や芝の勧工場より以前には竜の口の勧工場というのがあって一度ぐらい両親につれられて行ったような茫とした記憶があるが、夢であったかもしれない。それはとにかく、その勧工場のもう一つ前の前身としては浅草の仲見世や奥山のようなものがあり、両国の橋のたもとがあり、そうして所々の縁日の露店があったのだという気がする。田舎では鎮守の祭りや市日の売店があった。