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あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第五巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:あひると猿、疑問と空想、映画と生理、映画雑感(Ⅲ)、映画雑感(Ⅳ)、災難雑考、三斜晶系、糸車、詩と官能、自由画稿、小浅間、小爆発二件、地図をながめて、天災と国防、日本人の自然観、破片、俳句の型式とその進化、俳句の精神、物売りの声、B教授の死。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 194,515 字 · 389 页
地質時代に朝鮮と陸続きになっていたころに入り込んでいた象や犀などはたぶん気候の変化のために絶滅して今ではただ若干の化石を残している。
朝鮮にいる虎が気候的にはそんなに違わない日本にいないのはどういうわけであるか、おそらく日本の地が大陸と分離した後になってこの動物が朝鮮半島に入り込んで来たのではないかと思われる。猫は平安朝に朝鮮から舶来したと伝えられている。北海道のひぐまも虎と同様で、東北日本の陸地の生まれたとき津軽海峡はおそらく陸でつながっていたのではないかと思われるが、それがその後の地変のために切断してそれが潮流のために広く深く掘りえぐられた、それから後にどこかからひぐまが蝦夷地に入り込んで来たのではないかと想像される。四国にはきつねがいないということがはたして事実ならばこれも同様な地史的意義をもつかもしれない。それはとにかく日本が大陸にきわめて接近していながら、しかも若干の海峡で大陸と切り離されているという特殊の地理的条件のために日本のファウナがどういう影響を受けているかということは上記の雑多な事実からも了解されるであろう。
昔は鹿や猿がずいぶん多くて狩猟の獲物を豊富に供給したらしいことは、たとえば古事記の雄略天皇のみ代からも伝わっている。