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あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第五巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:あひると猿、疑問と空想、映画と生理、映画雑感(Ⅲ)、映画雑感(Ⅳ)、災難雑考、三斜晶系、糸車、詩と官能、自由画稿、小浅間、小爆発二件、地図をながめて、天災と国防、日本人の自然観、破片、俳句の型式とその進化、俳句の精神、物売りの声、B教授の死。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 194,515 字 · 389 页
それが映画ではハッピー・エンドになっている。たぶんこうしなければ一般観客のうけが悪いからであろう。しかしこのことは映画と小説との区別に関して一つの根本的な問題を暗示する。
小説では忠犬を「殺す」ほうが得策であるのに映画では殺さないほうが得策だとすれば、それはいったいどこからそういう差別が生じるかということである。そこに小説と映画との本質的な差別の目標の一つを探り出す糸口がありはしないか。
一つには、小説と映画では相手にする大衆の素質、顧客の層序において若干の異同のあることも事実であろう。しかしそれよりも大切なことは、映画の写し出す視覚的影像の喚起する実感の強度が、文字の描き出す心像のそれに比較して著しく強いという事実がこの差別を決定する重要な因子になるのではないかと思われる。
忠犬の死を「読む」だけならば、美しい感傷を味わうだけのゆとりがある。しかしそれを「見せられる」のでは、刺激があまりに強すぎて、もはや享楽の領域を飛び出してしまう恐れがあるのではないかと思われる。
十三 血煙天明陣
この映画は途中から見た。ずいぶん退屈な映画であった。