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ちいさなくさとたいよう

小さな草と太陽

小川 未明

「赤い鳥」赤い鳥社、1920(大正9)年11月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,414 字 · 5 页

青空文庫

」と、草はつぶやいていました。

ある朝、草は、まぶしい光が、青木の葉にさしているのを見つけました。なんという美しい光だろう。草は驚いて、その黄金の溶けて流れたような光線を見ていますと、やがてその光は、赤い青木の実に燃えつきました。すると、さんごの珠のような実は、すきとおって見えるように、美しかったのです。草は、ただ、あ、あ、とため息をもらしているばかりでした。

けれど、それから、草に日の当たるまでには、また幾日か間がありました。ある日、草は、今日はばかに夜が早く明けたなと思って、目を開きますと、長い間待ちこがれた太陽の光が、はや幾分か自分の体に当たっているのに気づきました。

草はこおどりをして喜びました。そのうちに太陽は、にこやかな円い顔で、頭の上をのぞきました。

「お日さま、私はどれほど、あなたをお待ちしたかしれません。」と、草はいいました。

「ああ、そうだろう。俺は、休まずにやってきたのだが、それでもどんなにおまえに、待ち遠しかったかしれない。」と、太陽は、やさしく、草をなぐさめました。

その日から、草は太陽の光を受けて、めきめきと成長いたしました。