轻松读懂日语经典作品
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こゆびいっぽんのおおじあい
小指一本の大試合
山中 峯太郎
「少年倶楽部」講談社、1931(昭和6)年1月号
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,932 字 · 13 页
頭が大きくてまるい。鼻は低くて上を向いてる。下のあごが上のあごよりつき出ていて、口がひらべったく大きい。かみついたとなったら、死んでもはなさない。すごい猛犬だ。この猛犬の「ブルドッグ」と、いまみんなが「なまいき」だというブルとは、顔も、からだつきも、かみついたら、死んでもはなさないというすごい性質まで、そっくり似てるんだ。いや、似てるから「ブル」とあだ名をつけたのだ。ほんとうの名前は「ポール」だ。けれど、だれも、「ポール」なんて、やさしい呼び方をするものは、一人もいない。かげで「ブル」「ブル」という。そのブルと顔を見合わせたときは、ソッとだまってしまう。
すると、ブルは、みんながだまって、相手にしなくなったから、二、三日前から一人でおこってる。おこっても、相手がないから、けんかができない。そこで、洗濯代をはらわずにいるのだ。すると、洗濯屋のジョージが、さいそくにきた。このジョージも強い。牧場で牛があばれだしたとき、走っていってとりおさえたのは、ジョージの力だ。
「ポールさん、洗濯代をはらってください」と、ジョージがきていうと、
「なに?」ブルが下あごをつき出して、ニヤリとわらった。