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こゆびいっぽんのおおじあい
小指一本の大試合
山中 峯太郎
「少年倶楽部」講談社、1931(昭和6)年1月号
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,932 字 · 13 页
打たれてブルはすごく顔色をかえた。と見るまに組みついた。大げんか、大格闘になった。みんながバラバラと逃げだした。けんかをとめたりしたら、あとで、「ヤイ、なぜとめた。おれの勝つけんかを、なぜとめた」と、ブルがくってかかる。しかし、だまって見てたら、
「きさま、なぜ見てた。なぜ加勢しなかった」と、やはりおこってくる。もしも加勢したら、「オイ、おれが弱いと思ったのか。さあこい、きさまが相手だ」と、どうしてもつっかかってくる。それを知ってるから、みんなが逃げだしてしまって、ぼくばかりのこった。ジャガイモを食いながら、目の前の大格闘を見てると、
「エイッ!」すごい気合いとともに、ブルが、ジョージのからだを、つり上げた、と思うと、
「ウッ」ジョージが、ブルに、しがみついた。
「な、なにをッ!」
と、すごい力をからだ中にこめたブル、いきなり、ジョージを肩の上までグッとさしあげると、そのまま下へ力いっぱい投げつけた。
「ウーン」と、いったきり、さすがのジョージも、床の上にひらたくなったまま、肩で息をしてる。起きられないのだ。
ブルは、息もつかずに、ぼくの方を、ジロリと見て、