轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しょうじょじごく

少女地獄

夢野 久作

「少女地獄」黒白書房、1936(昭和11)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 105,174 字 · 206 页

青空文庫

甘川さんのあのグロテスクな感じがよく出てるわ」

それでも気の弱い私は又も、欺されたり持ち上げられたりして、年に何度かの競技に引張り出されるのでした。心のうちにある冷たい空虚を感じながら……。

学校の運動場のズット向うの、高い防火壁に囲まれた片隅に、物置小舎になっている廃屋があります。モトは学校の作法教室だったそうですが、今では壁も瓦も落ちて、ペンペン草が一パイに生えて、柱も階段も白蟻に喰われて、畳が落し穴みたいにブクブクになっております。

私は課業の休みの時間になりますと、よく便所の背面から弓の道場の板囲いの蔭に隠れて、あの廃屋の二階に上りました。あそこに置いて在るボロボロの籐の安楽椅子に身を横たえて、上半分骨ばかりになった雨戸越しに、防火壁の上の青い青い空をジイッと眺めるのを一つの楽しみのようにしておりました。そうして私の心の奥底に横たわっている大きな大きな冷たい冷たい空虚と、その青空の向うに在る、限りも涯しもない空虚とを見比べて、いろいろな事を考えるのが習慣のようになっておりました。それも最初は、自分の片輪じみた大きな姿を運動場に暴露したくない気持から、そうしたのでしたが、後には、それが誰にも話すことの出来ない私の秘密の楽しみになってしまいました。