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しょうじょじごく
少女地獄
夢野 久作
「少女地獄」黒白書房、1936(昭和11)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 105,174 字 · 206 页
時にはお二人ともかなり強い声で言い争われた事が、二度や三度ではありませんでした。そうしてそのお蔭で前に書きましたような、この学校のいろいろな秘密がだんだんとわかって来たのですが、しかしその揚句はいつも校長先生の方が折れて、仲直りをなさるのでした。
「よしよし。ようわかった。帳面の責任は結局、君一人の責任になる訳だからね。無理は言わんよ。……いや。わかったわかった。わかったよ……。それじゃこれから二人で仲直りに、面白い処へ行こうか。あの温泉ホテルの三階なら、誰にも見つからないぜ君……」
「イヤ。もう今日は遅いですからモット近い処にしましょうや」
「なあにタクシーで飛ばせば訳はないよ。近い処はお互いの顔を知っとるからいかん。温泉ホテルの三階がええ。君はあの妓を連れて来たまえ。自由に享楽の出来るステキな処だぜ。知事や県視学も内々でチョイチョイ来るよ。吾輩の新発見なんだ」
「ヘエッ。そんなに贅沢な処ですか」
「贅沢にも何にもスッカリ南洋式になっている、享楽の豪華版なんだ。勘定は受持つから是非彼女を引張って来たまえ」
「ヘヘヘ。恐れ入ります」
「イヤ。彼女は面白いよ。だいぶ変っているよ。