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しょうじょじごく
少女地獄
夢野 久作
「少女地獄」黒白書房、1936(昭和11)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 105,174 字 · 206 页
折れるぜ。況んや俺たちをコンナにまで欺瞞す気苦労と言ったら、考えるだけでもゾッとするじゃないか」
「……あたし……それは、みんなあの娘の虚栄だと思うわ。そんな人の気持、あたし理解ると思うわ」
「ウップ。怪しい結論だね。恐ろしく無駄骨の折れる虚栄じゃないか」
「ええ。それがね。あの人は地道に行きたい行きたい。みんなに信用されていたいいたいと、思い詰めているのがあの娘の虚栄なんですからね。そのために虚構を吐くんですよ」
「それが第一おかしいじゃないか。第一、そんなにまでしてこちらの信用を博する必要が何処に在るんだい。看護婦としての手腕はチャント認められているんだし、実家が裕福だろうが貧乏だろうが看護婦としての資格や信用には無関係だろう。それくらいの事がわからない馬鹿じゃ、姫草はないと思うんだが」
「ええ。そりゃあ解ってるわ。たとえドンナ女だっても現在ウチの病院の大切なマスコットなんですから、疑ったり何かしちゃすまないと思うんですけど……ですけど毎月二日か三日頃になると印形で捺したように白鷹先生の話が出て来るじゃないの。おかしいわ……」
「そりゃあ庚戌会がその頃にあるからさ」