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しょうねんのひにけい
少年の日二景
小川 未明
おどろき「台湾日日新報」1940(昭和15)年8月4日<br>伸びるもの「台湾日日新報」1940(昭和15)年8月6日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,786 字 · 8 页
」と、勇ちゃんは、思いました。なぜなら、もしへびが池の中へ入ったら、どうしようかと思ったからです。そのうち、へびは垣根の横棒へはい上がり、その上を伝って、やぶの方へ姿を消してしまいました。
「かえるを助けてやって、いいことをしたな。」と、勇ちゃんは、心の中で、喜んでいました。
晩方、お母さんといっしょに、町へ出ると、四つつじのところで、おじいさんがほたるを売っていました。
「まあ、大きなほたるだこと。」と、お母さんは、そのほたるの火が美しいのにびっくりなさいました。
「買ってね、お母さん。」
「すぐ、死にませんか。」
「だいじょうぶさ。」
そういって、勇ちゃんは、五ひきばかり入れ物にいれてもらって、帰りました。
その夜、池のあたりのしだの蔭に置くと、青白く燃える光が、池の水に映って、それはみごとだったのです。
「昼間大きなへびが、かえるをのもうと追いかけてきたんだよ。」
昼間のことを、勇ちゃんは、家の人たちに語りましたが、思い出すと、ぞっとするような気持ちがしました。
「へびは煙草をきらうといいますから、たばこの粉を、垣根のところにまいておくといいでしょう。」