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しょうねんのひにけい
少年の日二景
小川 未明
おどろき「台湾日日新報」1940(昭和15)年8月4日<br>伸びるもの「台湾日日新報」1940(昭和15)年8月6日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,786 字 · 8 页
伸びるもの
「僕が、へびをなぐったのは、まちがっていたろうか?」と、いまさら自然に存するおきてというものが悟られたような気がしたのでした。
伸びるもの
良ちゃんは、いま中学の一年生です。ある日学校から帰ると、お母さんに向かって、
「きょう山田にあったよ。」といいました。
「どうしていらっしゃるの。」
「昼間は、会社の給仕をして、夜学校へいっているといっていた。」
「感心ですね。」
お母さんは、過ぎ去った日のことを思い出していられました。それはまだ良ちゃんが、小学二年生ごろのことであります。事変前で、町には、お菓子もいろいろあれば、卵などもたくさんありました。
遠足の日がきまって、いよいよその前の晩になると、おそらく他の子供もそうであったように、良ちゃんは大騒ぎです。
「お母さん、明日のお弁当は、おすしにしてね。」
「ええ、してあげますよ。それとなにを持っていきますか。」と、お母さんは、さも楽しそうにしている良ちゃんに向かって、お問いになりました。
「ゆであずきいけない?」
「そんなものを持っていく人はないでしょう。」
「じゃ、チョコレートとキャラメルとビスケットね。」
「そんなに持っていくのですか。