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しょうねんれんめい
少年連盟
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页
ほかの人にやらせてください」
「なぜだ?」
「黒ん坊のボートで川を渡ったとなればかれらの恥でしょうし、あんなにご主人を侮辱したやつには、力をかしてやる理由がありません」
「モコウ、きみは私事と公事とを混用している、たとえかれらがぼくを侮辱したところが、それは小さな私事なのだ。私事のためにかれらに難儀をかけることは恥ずべきことだ、ぼくは連盟の大統領の職責から命じるのだ」
「わかりました。ですがご主人、わたしはかれらと一言もことばをかわしたくないと思いますが、これだけはゆるしてください」
「ハハハ、そりゃきみの自由だ」
大統領の命令ならそむくわけにはゆかない。彼はいさぎよく渡川の任務をひきうけたのだった。
ボートは川岸をはなれた。川霧はまったく晴れてオールに破れた川面が、小波をたてて、日にキラキラと光った。モコウは黙々としてオールをあやつり、黙々として四人を川岸にあげ、そして黙々としてこぎ帰った。
一行四人のその後の行動は、ドノバンの日記によって知ることにしよう。
十月十日、ぼくらはとうとう独立した。独立の第一歩において、モコウのボートにうつらなければならなかったことは大言のてまえすこし遺憾だった。