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しょうねんれんめい

少年連盟

佐藤 紅緑

「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页

青空文庫

「そうだ。ぼくらは卑怯だった」

「はずかしい行為をした」

断雲は低くたれて、奔馬のごとくとびきたり、とびさる、まだ勢いのおとろえない風のなかを、四人はたがいに腕をくんで浜辺に出た。

ボートのありかはすぐに見つかった。だが、二個の死体はどこにも見あたらなかった。

「潮に流されたのだ」

ドノバンが悲しそうにいった。

「かわいそうに……ぼくらが卑怯だったために、ふたりを見殺しにしたのだ」

イルコックが鼻をつまらした。

「だが、ぼくは夜中にあらしのなかに、人の声をきいた」

とウエップがいった。

「ぼくもきいた」

とグロースがいった。

「さがしてみよう」

とドノバンが岩の上にのぼった。だが、ただ一様にほうはいたる巨浪が、無辺に起伏するのを見るばかりで、何者の影も見あたらなかった。

「だめだ」

ドノバンはがっかりしておりてきた。

ボートは長さ四メートルばかりの伝馬船で、帆柱は根元から折れ、右舷はひどく破れていた。きれぎれの帆と、帆綱の断片がちらばっているばかりで、船中にはなにもなかった。

「なにか文字があるぞ」

船尾をしらべていたグロースがさけんだ。一同は走りよった。なるほど、そこにはうすくきえかかった数個の文字があった、ドノバンが読みあげた。