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しょうねんれんめい
少年連盟
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页
と富士男がうれしそうにさけんだ。
絞車盤は逆転された、だがのぼるときのわずかの時間にくらべて、おろすとなるとなかなかたいへんであった。一同はひたいに汗して一生けんめいにまいた。一時間ののち、大だこは巨体を地上につけた。
「万歳!」
またしても喝采賛嘆の声が、一同の口をついた。
「じゃ、このままにしておいて休もう」
とゴルドンが一同をうながした。一同は去りかけた。と富士男がゴルドンの手をとった。
「ゴルドン君、待ってくれたまえ、ドノバン君、ぼくは相談がある」
「なんだ」
とドノバンがたちどまった。
「ぼくらの試験はみごとに成功した、これは風勢が強からず弱からず、つねに一定の方向に吹いているからなんだ、ぼくはこんな絶好の機会が、しばしばあるとは思われない、あすも今晩と同じような天候と風勢があるかないかは、知ることができない、成功をいそぐように思うかもしれんが、ぼくはこの絶好の機会をのがしたくないんだ、だんぜん、決行したほうが得策のように思えるんだ」
決意が眉宇にあらわれて、目がギラギラと光った。富士男のことばはしごく道理である、だがだれも口を開こうとするものがない。