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しょうねんれんめい
少年連盟
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页
「もうしめたぞ」
いままで沈黙していたドノバンは、まっさきにボートのほうへ走った。イルコック、ウエップ、グロースの三人はそれにつづいた。四人はえいえい声をあわしてボートを海上におろそうとした。
「それをどうするつもりか」
と富士男は声をかけた。
「何をしたっていいじゃないか」
とドノバンはふたたびけんかごしにいった。
「きみらはボートをおろすつもりなのか」
「そうだ、だがそれをとめる権利はきみにないはずだ」
「とめやしないが、ボートをおろすのはかってだが、きみらだけ上陸して、ほかの少年をすてる気ではあるまいね」
「むろんすてやしないよ、ぼくらが上陸してからだれかひとり、ボートをここへこぎもどして、つぎの人を運ぶつもりだ」
「それならまず第一に、いちばん年の少ない人たちから上陸さしてくれたまえ」
「それまでは干渉されたくないよ、小さい人たちを上陸さしたのでは役にたたない、まずぼくが先にいって陸地を探検する」
「それはあまりに利己主義だ、おさない人たちを先に救うのは、人道じゃないか」
「人道とはなんだ」
ドノバンはかっとなってつめよった。へいそなにごともドノバンにゆずっている富士男も、ドノバンの幼年者に対する無慈悲な挙動を見ると、心の底から憤怒のほのおがもえあがった。