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しょうねんれんめい
少年連盟
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页
十四人の少年が、かれをこのサクラ号の指揮者となしたのも、これがためである。モコウはおさないときに船のボーイであったので、これも船のことにはなれている。
ふたりは前檣の下へきて、その破損の個所をあらためてみると、帆は上方のなわが断れているが、下のほうだけがさいわいに、帆桁にむすびついてあった。ふたりは一生けんめいに、上辺のなわを切りはなした。帆は風にまかせて半空にひるがえった。ふたりはようやくそれをつかんで、下から四、五尺までの高さに帆桁をおろし、帆の上端を甲板にむすびつけた。これで船は風に対する抵抗力が減じ、動揺もいくぶんか減ずるようになった。
ふたりがこの仕事をおわるあいだ、ずいぶん長い時間を要した。大きな波は、いくどもいくどもふたりをおそうた。ふたりは帆綱をしっかりとにぎりながら、危難をさけた。
仕事がおわってふたりはハンドルのところへ帰ると、階段の口があいて、そこからまっ黒な髪をして、まるまるとふとった少年の顔があらわれた。それは富士男の弟次郎である。
「次郎、どうしてきた」
と兄はとがめるようにいった。
「たいへんだたいへんだ、兄さん、水が船室にはいったよ」