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やまのこんじゃく

山の今昔

木暮 理太郎

「山岳講座」1936(昭和11)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,554 字 · 42 页

青空文庫

所それを解決し得る見込みはない。

是等外人の間に伍して、坂市太郎氏は明治十八、九年頃に広汎な範囲に亙りて、北アルプスの地質を調査し、大塚専一氏は二十二年に針木峠以北の後立山山脈を、引続いて三回に探査し、針木峠から雪倉岳に至り、一旦大町に帰りて更に黒部峡谷に入り、鐘釣温泉から三名引山を踰えて島尻に出で、約一ヶ月の日子を之に費している。

明治二十一年にウォルター・ウェストン氏が来朝した。そして二十四年以後、木曾駒、白馬、立山、御岳、乗鞍、槍、常念、赤石等、中部地方の山岳十七座に登っている。其紀行は『日本アルプスの登山と探検』と題し、二十九年(一八九六年)に倫敦で出版された。此書は日本アルプスを広く海外に紹介し、且つ今となっては本邦の山岳に関する古い文献として尊重す可きものであるが、邦人にして其恩沢を蒙った者は少ないであろう。其点からいえば小島烏水君の『日本アルプス』の方が遥に優っていると私は思う。独り『日本アルプス』に限らず、其前にも後にも出版された小島君の著書の孰れもが少壮登山家に与えた感銘は、私などの年輩の者が『日本風景論』から受けた感化に等しきものがあろうと考える。