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やまへかえったやまがら
山へ帰ったやまがら
小川 未明
「愛育 7巻1号」1941(昭和16)年1月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,134 字 · 5 页
「すずめが鳴いていたので、お仲間入りがしたくなったんだね。」と、英ちゃんが、いいました。
「きっと、そうだろう、忘れていた山奥の林や、父鳥や、母鳥のことを思い出したのだよ。」と、兄さんが、いいました。兄さんも、いつしか、やまがらは帰ってこないと思ったのでした。
その晩には、寒い木枯らしが吹きすさびました。翌日起きてみると、屋根も、圃も、木のこずえも、霜で真っ白でありました。あらしの中で、はじめの夜を過ごしたやまがらは、どうしたであろうと、兄弟は、心配しました。
「すずめたちと同じ木に止まって、小さくなって、寝たかしらん。」
「すずめは、やさしい鳥だから、意地悪なんかしないよ。」
「そうだ、僕、鳥屋のおじさんに、きいてみよう。」と、英ちゃんが、いいました。
いつも、学校の帰りに、鳥屋の前に立って、いろいろの鳥を見るので、よく顔を知っているおじさんに、きいてみようと思ったのでした。
あくる日、やまがらのことを心配しながら、学校の帰りに、その店の前までくると、ちょうどおじさんは、日当たりの入り口で、鶏の小屋をそうじしていました。そして、英ちゃんが、やまがらの逃げた話をして、どうしたろうときくと、おじさんは、ほうきを動かしながら、