轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さんけいにいくるひとびと

山谿に生くる人々

葉山 嘉樹

――生きる為に――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 33,699 字 · 67 页

青空文庫

それは安い値段で売られた。そして、うまく大きくさえすれば、いい値に売れるので、方々の飯場でそいつを買ったのである。

だが、人間さえもが鶏小屋に類する飯場に住んでいるんだから、鶏と人間を同じ待遇にするという訳には行きかねた。そこで、鶏には眠る場所だけ、竹っ片やセメントの紙袋などで拵えてやり、昼間は、「自由に、勝手に、好きなものを食って、大きくなれ」ということにしたのである。

ところが、そのうちに、毎晩、鶏小屋で寝る鶏の数が、「殖えたり減ったりする」という事が分った。どこだって「殖える」分には差し支えがなかったが、減るという事になると、一日一日大きくなるのだから、穏やかではなかった。

そこで足に紐を捲いてみた。が、これも余り効力がなかった。赤い紐というものが、五十も六十も揃っていたり、布を裂いたにしたところで、まだ使える裂を、そう無やみに使えるものでもなかった。その上、解けたり、汚れて見分けがつかなくなったりした。

止むを得ず、一番たくさん飼っていて、一番沢山減った、飼主が、一匹ずつ引っ捕まえて、スタンプ用の赤インクを、ベタベタと背中へ塗りつけたのだった。