轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

やまみち

山道

中里 介山

「改造」1926(大正15)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,368 字 · 15 页

青空文庫

「長兵衛小屋というのは何ですか」

「それは、此処に小屋をこしらえて木こり山がつをやって住んでいた男だそうですが兼業には追剥と人殺しもやったそうです」

「それは物騒だ」

「時に机竜之助が巡礼を斬ったのは何処ですか」

「誰か知っている者はありませんか」

「それは無論此処でしょう熊沢ではありますまい」

「猿が大木から上下して、いたずらをしたように書いてありましたな」

「さよう」

一行が頭上を見上げるとその辺には水ナラ、榛の木、栗、白樺、古カンバ等の大木があります。

「どうですこの辺で一ぱいやりましょうか」

「いっそ、あの熊沢大菩薩までお出になって、ゆっくりとお休みになっては、いかがですあそこの方が展望が利きます、それにまた、あれまでの道中がなかなか見物でございますから」

「ではそういう事に」

一行は開きかけた用意の行厨を荷って、いわゆる萩原大菩薩峠の頂から熊沢大菩薩の間の尾根を歩き出す。

制服の学生がいつも謙抑の態度でその案内者です。

「こりゃあ素敵だ」

この道は、さして骨の折れないカヤトですから一行はあたかも遊散気取りで悠々と歩んで周囲の山巒のただならぬ情景に見恍れるの余裕が出ました。