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こうじょうさいぼう

工場細胞

小林 多喜二

小林多喜二『工場細胞』。同一底本的分册已合并为一书。收入:工場細胞、独房、母たち。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 91,234 字 · 184 页

青空文庫

――俺はいきなり窓際にかけ寄ると、窓枠に両手をかけて力をこめ、ウンと一ふんばりして尻上りをした。そして鉄棒と鉄棒の間に顔を押しつけ、外へ向って叫んだ。

「ロシア革命万歳※(感嘆符二つ、1-8-75)」

「日本共産党バンザアーイ※(感嘆符二つ、1-8-75)」

ワァーッ! という声が何処かの――確かに向う側の監房の開いた窓から、あがった。向うでも何かを云っている。俺の胸は早鐘を打った。

飯の車が俺の監房に廻わってきたとき、今度は向うの一番遠い監房――No. 1. あたりで「ロシア革命万歳※(感嘆符二つ、1-8-75)」を叫んでいるのが聞えた。看守はむずかしい顔をしていた。――誰か口笛で「インターナショナル」を吹いている……。俺は飯をそのまゝにして置いて――興奮し、しばらくつッ立っていた。

丁度、飯を食い終る頃だった。デッキになっている階上の廊下をバタ/\と誰か二、三人走って行く音がした。何処かの監房が荒々しく開けられた。そして誰か引きずり出されたらしい。突然、もつれ合った叫声が起った。身体と身体が床の上をずる音がして、締め込みでもされているらしいつまった鈍い声が聞えた。