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こうじょうさいぼう

工場細胞

小林 多喜二

小林多喜二『工場細胞』。同一底本的分册已合并为一书。收入:工場細胞、独房、母たち。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 91,234 字 · 184 页

青空文庫

無くちゃならない罐つくる。

自慢じゃ御座んせぬ

製罐工場の女工さんは

怠けられようか会社のために

油断出来ようかみ国のために

命もとでの仕事に済まぬ。

(「H・S会社」発行「キャン・クラブ」所載。)

そういう歌や文章が投稿されてくると、会社は殊更に「キャン・クラブ」で優遇した。又、会社がこっそり誰かに作らせて、それを載せることさえした。

「H・S会社」はカムサツカに五千八百万罐、蟹工船に七百八十万罐、千島、北海道、樺太に九百八十万罐移出していた。割合にして、カムサツカは圧倒的だった。

笠原は工場長のもとで「科学的管理法」や「テイラー・システム」を読ませられたり、色々な統計を作らされるので、会社の計画を具体的に知ることが出来た。日本ばかりでなく、世界の賃銀の高低を方眼紙にひかされた。――世界的に云って、名目賃銀は降っていたし、生活必需品の価格と比較してみると、実質賃銀としても矢張り下降を辿っている。「H・S」だけが何時迄もその例外である筈がなかった。又、生産力の強度化を計るために、現在行われている機械組織がモット分業化され、賃銀の高い熟練工を使わずに、婦女子で間に合わすことが出来ないか、コンヴェイヤーがもっと何処ッかへ利用出来ないか、まだ労働者が「油を売ったり」