轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こうじょうさいぼう

工場細胞

小林 多喜二

小林多喜二『工場細胞』。同一底本的分册已合并为一书。收入:工場細胞、独房、母たち。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 91,234 字 · 184 页

青空文庫

とお君はいたずらゝしく笑った。

――そしてクヨ/\想い悩んでるの。それアおかしいのよ。で、私云ってやったの。あんた一体「お嬢さん」かッて。月を見ては何んとか思い、花を見ては……なんて、お嬢さんのするこッた。思ってることをテキパキと云って、テキパキと片づけてしまいなさいって、ね。

――君ちゃんらしいな!

と森本は淋しく笑った。

――そんなことで、仕事がおかしくなったら大変でしょう。私その人に云ってあげるから……キッスして貰いたかったら、キッスして貰おうし……そしたら仕事にも張り合いが出来るんでないの、と云ってやった。そしたら、とてもそんな事、恥かしくッてと。――どう?

お君は遠慮のない大きな声を出した。こういう云い方が、みんな河田から来ているのではないかと、フト思うと、彼は苦しかった。

――恥かしいなんて、芳ちゃん何だか、お嬢さん臭いとこあってよ。

お君を男にすれば河田かも知れない、森本はその時思った。――河田が若し恋愛をするとすれば、それは「仕事と同じ色の恋」をするだろうと皆冗談を云った。それは彼が恋をしたって、彼の感情の上にも、いわんや仕事の上にも少しの狂いもずりも起らないだろうという意味だった。