轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さちおせんせいへのついおく

左千夫先生への追憶

石原 純

「アララギ」アララギ発行所、1919(大正8)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,117 字 · 9 页

青空文庫

沼地につづいたこのあたりの軟らかい地面を揺らがして、地震のようにぐらぐらする。私はいつもの寂びた心地のなかに、急に近代的の刺戟を感じさせられるようにも思った。しかしそれにも慣れてくると、今度はかえってそれもなくてはならぬもののように平気になってしまった。先生の立てられた渋い茶を味わって、こうして我々は現代に生きていたのである。世の人たちは万葉崇拝をいたずらに古めかしい趣味ででもあるように見なしていた。先生は万葉精神の体現はたとえ一般人には認められなくとも、それを理想とする少数の我々がここにあるということは、やはり現代思潮の一部として否定すべからざる事実であるとも言われていた。それを今思うと感慨がふかい。

「馬酔木」時代には、雑誌の編集はほとんど先生一人の仕事であった。それに対しては非常に熱心でいられたのにかかわらず、発行の遅れないときはないほどであった。きょうはぜひやってしまわなくてはならないと言いながら、訪問者でもあると、それを断わりきれずに、やはりゆっくりと茶を飲んで話していられた。先生のゆったりした、しかも愛情のみちた性格がこういうところに遺憾なく覗われる。