轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
59 矮鶏の作が計らず展覧会に出品されたいきさつ
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,610 字 · 6 页
それから、三月一杯掛かって、四月早々仕上げを終る……その前後にまた一つお話しをして置くことが出て来る……
美術協会の展覧会は、毎年四月に開かれることになっている。ちょうど私の製作を終ろうという間際にそれが打っ附かったのです。
協会の方では開会の準備のためにそれぞれ技術家たちへ出品の勧誘などをしていた時であった。
或る日、役員たちの集まった時に、幹部の方の一人が私に向い「高村さん、今年は君は何をお出しになります」と尋ねましたので、私は、今年は生憎何も出すことが出来ませんと答えました。
すると、その人は意外なような顔をして、私を視て、
「何も出せないとはどうしたことです。怠けてはいけないね、君のような若い会員が出品しないなんて困りますね。是非何か出すようにして下さい」というのであった。
その人の言葉は何んでもないのであったでしょうが、ふと、今いった言葉の中に、「怠けてはいけない」という一語があったので、私の癇に障りました。
怠けるどころの話か。自分はこの約一年間、一羽の鶏を彫るために散々苦心し、まだそれも全部出来上がったという所までも行っていない。それほど自分は仕事の上に丹誠しているものをつかまえて、怠けてはいかんとは少し人を見そこなったいい分ではないかと私は思いました。