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ゆうれいやしきのさつじん

幽霊屋敷の殺人

山本 周五郎

「少年少女譚海」1930(昭和5)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,339 字 · 19 页

青空文庫

「そうですか、どうも有難うございます」

「なんだね……」

と、林田子爵は笑いながらいった。

「また何か名探偵が事件を解決しようというのかね?」

「ああ龍介はね」と、博士が傍からいった。「あの白堊館の幽霊殺人事件に手をつけているんですよ」

「ほうそれは大変だ、あれは警視庁でも手をやいている事件だからな、龍介にも、ちょっと解決はつくまいぜ」子爵がいった。

「ところが」、と龍介が微笑みながら云った。「ところが伯父さん、僕ぁもうすっかり真相を掴んじゃったんです。また明後日の晩までにはすっかり事件を解決して、松川博士殺害の犯人も捕縛して見せるつもりですよ!」

「本当かい龍介※(感嘆符疑問符、1-8-78)」

子爵も父博士も驚きの声をあげた。

「本当ですとも、僕ぁ一度やるといったら、しそんじることはありませんよ!」龍介はそう云って笑った。

「まあお兄様、それじゃもうすっかり調べ終ってしまったの?」そばから妹の文子が手を拍っていった。「それじゃこん度は私はお役目なしなのね」

「そうだ。そういつも文子にお手伝いさせやしないよ、まあこん度は黙って見ていてごらん」

そういって龍介は立ちあがった。