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ひかれていくうし

引かれていく牛

小川 未明

「こくみん三年生」1941(昭和16)年3月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 1,674 字 · 4 页

青空文庫

」

「それはわかるさ。そして、逃げられないということも知っているのだ。」

「明日のいまごろは、もうお肉になって、町へ出るのだな。」

「わたし、お肉たべないわ。」

「私も。」

みつ子さんとよし子さんが、そういうと、

「そんなら、くつもはけないよ。」と、勇ちゃんがいったので、みんな笑ってしまいました。

空に星が光って、人の顔が、はっきりわからなくなったので、みんなは、てんでに明るいお家へかえりました、孝ちゃんのお母さんは、赤ちゃんをおぶって、おしごとをしていられました。二、三日前から、赤ちゃんは、気分がわるいので、お母さんは、もういく夜もろくろくねられませんでした。

「坊や、どうなの。」と、孝ちゃんがききました。

「今日は、いくらかいいようです。」と、お母さんは、おっしゃいました。

孝ちゃんは勉強がすむと、いつものように、先に床へはいりました。そして、しばらく目をあけて、

「あの牛は、どうしたろう。」と、思っていました。

ほかの子供たちも、たぶん家にかえってからも、牛のことを思っていたでしょう。

翌日、学校のつづり方の時間に、孝ちゃんは、昨日の晩方、引かれていった牛のことを書いて、