轻松读懂日语经典作品
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こころのアンテナ
心のアンテナ
佐々木 邦
「現代」大日本雄辯會講談社、1937(昭和12)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,973 字 · 27 页
一つ見本を拵えて、見せておくれ」
鐘太夫はグン/\時代に目覚めた。附け焼刃もあるが、元来器用人の上に義太夫語りだから真に迫る。科白もよく覚えた。
「素人衆の義太夫は技巧が好い加減ですけれど、霊感的即興がありますから、案外聞けますよ。熱ですよ、要するに。幾ら技巧づけられていても、インスピレーションのない義太夫は泡の抜けたビールのようなものです」
なぞとやる。
「鐘さんは急にインテリになったね」
「うむ。英語をペラ/\使うから、此方は戸迷いをする」
と旦那衆も恐れを為す。鐘さんの現代化に調子を合せなければならないのは三味線の鞆作さんだ。この人は老年だから始末が悪い。
「鞆作さん」
「へい」
「お互太夫と三味線は野球と同じことでチームワークですよ」
「チムワクというと?」
「組んでやることです。協同作業です」
「組んでいるがな、初めから」
「それだから組合仕事です」
「チムワク。チグハグと覚えて置きましょうか? ハッハヽヽ」
「物の見方を新しくすれば、心持も新しくなりますよ」
「大きに」
「お互に時代に目覚めて、ジャン/\やりましょう」
「へい」
「ついては、あなたも洋服を着て下さい」