轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しそうどういんろん

思想動員論

戸坂 潤

「日本評論」日本評論社、1937(昭和12)年9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,012 字 · 18 页

青空文庫

一体善とか悪とかいう言葉はそれ自身の内容から云えば全く無意味なものだろう。善い思想へ導くという、或いは思想を善へ導こうというその善きものは何か。之は子供だましでなければ誰にも判らぬ。そこで支配者当局は、「国民精神」という内容をそこへ持って来た。之が思想統制の第二段である。今は単なる善悪ではない、国民精神と名のつくものにあやかるのが善で、そうでないのが悪思想だという風に制定された。国民精神作興の類が之であり、農村精神作興などがその農村対策版であったわけだ。この思想統制内容の積極性は相当なものであったので、現に当時文部省に国民精神文化研究所なるものが出来たのでも知ることが出来るし、学生課がそれと同時に思想局となったことでも知れる。この両者は相俟って、所謂悪い思想の駆逐と共に、善い思想である国民精神の研究(?)と宣伝に従事することが出来た。思想善導の場合のような、ただの寝言ではなかった。

だが国民精神と云っても、実は少しもハッキリしないものだ。国民精神がハッキリしていないからではなくて、国民精神の内から何か特別な「国民精神」を区別して取り出そうというのだから、ハッキリしないのである。