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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
これを見ていた炭やき爺さんも、これなら自分も骨おりがいがあったと大よろこびです。
それはちょうど、おひる前の十一時ごろでありました。一台の飛行機が、東の方の空から近づいて来ました。飛行機は、一彦たちのあたまの上まで来ました。一彦は寝そべったまま白布を手にして振り、爺さんはしきりに炭焼竈の煙をさかんにあげて飛行機の方に相図をしました。
その相図が通じたのか、その飛行機はぐるぐる旋回をはじめながら、しだいに高度をさげてまいります。千メートルから九百、八百、やがて五百メートルと低空にうつりました。
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一彦たちの頭上を旋回しながら、しだいしだいに高度を低くして来る尻尾の赤い飛行機から、やがて人間と荷物とのつながったものが空中へぽいと放り出されました。
「おや、なんだろう」
と、炭やき爺さんは、まぶしそうに目をぱちぱちしながら、天を仰いでいます。
「あっ、落下傘だ。塩田大尉は落下傘でおりて来るんだぜ。ああすごいなあ」
といっているうちに、ぱっと空中に大きな真白な花傘がひらきました。三百メートルほどの低空です。人間の重みで、傘はぶらんぶらんとゆれています。