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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
「僕が心配するわけはいずれわかるだろうが、とにかく変り者の大利根博士のところへいくのは、これでなかなか大仕事だよ」
塩田大尉は二人の頭をなでながら、ほんのちょっぴり、気持を言いあらわしました。大尉は、帆村の言伝を聞いてからのち、いろいろ考えた末、大利根博士を訪問することをたいへん重大に思うようになったのです。
一体なにがそんなに重大なんでしょう。
ミチ子に別れて、一彦は塩田大尉とともに海軍の自動車にのって出かけました。
行先は、東京近郊の大利根博士の研究所でありました。
自動車が博士の邸に近づいたとき、塩田大尉は一彦に向かい、
「一彦君は、伝書鳩を知っているかね」
「伝書鳩ですか。知っているどころか僕は鳩の訓練も上手なんですよ」
「そうかい。それはえらい。では君に伝書鳩を二羽あずけておこう。これでもって、腰にさげておきたまえ」
と、脚に環をはめた鳩を渡しました。
2
「この伝書鳩は何時放すんですか」
と一彦は塩田大尉の顔をみあげていいました。
「放すのがいいときがくれば、きっとそれとわかるだろうよ」
と塩田大尉は、なぞのようなことばをなげかけました。