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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
いよいよ自動車をおりました。ここは大利根博士邸の門前です。
大尉は無雑作に門のところについているベルの釦をおしました。
しばらく待ちましたが、門内からは何の答もありませんでした。
「何も返事がありませんね」
「うむ返事がない。そうだ、返事がないのがあたり前かもしれない。りんりんりーんりんと特別の鳴りかたをしなければ奥へ通じない規則があったね。それをいま思い出したよ」
そういって塩田大尉はベルの釦をおしなおしました。
りんりんりーんりん。
するとどうでしょう。
りんりーん――と、返事のベルが門柱のうえで鳴りました。そして城のような高い壁にはめてあった門の扉がぎいっとうちへあきました。それは潜り戸ぐらいの小さな扉でありました。
「さあ入ろう」
塩田大尉は一彦をうながして、その小さい門をくぐりました。
「大利根博士は、お邸にいるのですね。ベルが鳴りましたから」
「まあ、どうかなあ」
「だって、今のベルは特別符号をおくったのでその返事として鳴ったんでしょう、博士の耳に通じたにちがいありませんよ」
「そうかなあ」
二人はあなぐらのようなところを、ずんずんむこうに歩いてゆきました。