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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
ですから、ロケットにひっぱられて、まるで大きい船のうしろに綱でむすびつけられている伝馬船のように、ロケットの飛ぶまにまに、あとからついていきます。
「ちぇっ、あんなことをして、ぶらさがっていやがる」
怪塔王は、窓の外の光景を、テレビジョンで見ながら、いくども大きな舌うちをいたしました。
「こうしていては、いつまでたっても、思うところまで逃げられやしない。なんとかしてあの飛行機をぶっつぶす方法はあるまいか」
怪塔王は、けわしい目をぎょろりと光らせて、映写幕にうつる宙ぶらりんの青江機を、いまいましそうににらみつけました。
2
小浜・青江の二勇士が、おもいきった決死の大冒険をしまして、麻綱をもって愛機を怪塔ロケットにむすびつけたものですから、怪塔王は大腹立ちです。このままでは、怪塔ロケットのいくところへ、青江機がどこまでもついてくるわけですから、邪魔になるったらありません。
怪塔王は、窓から首を出して、青江機をいまいましそうににらみつけていましたが、
「うん、よしよし。そうだ。あの飛行機をやっつけるにいい方法があった」
と言って、顔を窓からひっこめました。