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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页

青空文庫

そう考えてくると、怪塔の中に忍びこむには二重三重のむずかしい問題があります。

「どうだね、一彦君。いい考がうかばないか」

「僕、なにもわからないや」

「なにもわからないようじゃ駄目だねえ。もっと考えなくちゃ」

「おじさんは何か考えているの」

「うん、おじさんも実は困っているんだが、とにかく昼間行くと怪塔王に見られてしまうから、夜になって近づくのがいいということはわかるよ」

「なるほど、おじさんはえらいや。それからのちはどうするの」

「それからのちは――困っているのだ」

「おじさん、梯子か竹竿をもっていって、一階の窓にとりつきガラス窓をこわしてはいってはどう」

「それは駄目だ。さっき窓をよく見てきたんだが、ガラス窓の外にはもう一枚鉄の扉がしまるようになっている。夜になると、きっと、窓は鉄の扉にとざされて、なかなかはいれないと思うよ」

「それじゃ困ったね。窓からは駄目だ」

「入口の扉をあける合鍵でもあればいいんだが……」

「鍵?」

そのとき一彦は、ふと猿の頭のついた鍵のことをおもいだしました。昨日怪塔王が砂の上におとしていったあの大きな変な形をした鍵のことです。

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