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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页

青空文庫

「おや上官、麻綱がぷすぷすくすぶりだしましたぞ」

「なんだ、麻綱がとうとう燃えだしたか」

怪塔ロケットの金属壁が、とろとろとけているくらいですから、そのあたりの温度はたいへんあつくなって、やがて麻綱がぷすぷすとくすぶりだしたのです。これはいけないとみまもっているうちに、ついに麻綱は、赤い焔をあげてめらめら燃えだしました。

7

さあたいへんです。

怪塔ロケットと青江機とをつなぐ麻綱が、めらめらと燃えだしたものですから、さあ、たいへんなことになりました。

小浜兵曹長は、本隊司令へ無電報告をするため、電鍵をたたきつづけていましたが、このありさまを見て、

「うむ、やっぱり燃えだしたか。怪塔ロケットは、こっちの飛行機をきり離して逃げていく気だぞ。もういけない。おい青江、エンジンをかけろ。大いそぎだ!」

と、ふたたびエンジンをかけて飛行の用意をいいつけました。

「はい、エンジンをかけます」

青江三空曹は、すぐさまその命令をくりかえして発火装置をまわしました。

すると、ふたたびばくばくたるエンジンの音がきこえだし、機体がぐっとうきあがってまいりました。

「おい青江、麻綱はいよいよ切れそうになったぞ。