轻松读懂日语经典作品
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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
兵曹長がつりさがっている綱は、さかんにぴゅうんぴゅうんとふれています。飛行機は綱よりも上空にありますが、今は誰も操縦していませんから、ぐるぐるまわりながら、綱もろともしだいにおちていきます。
「うむ、誰がふりおとされるものか」
そのうちに綱のふれ方がゆるやかになりました。綱と飛行機がもろともに下におちだしたので、ふれ方がゆるくなったのです。兵曹長の腕は、すこし楽になりました。
しかしこうしていれば、飛行機も兵曹長も、だんだんスピードを増して下におち、やがては地上にはげしくぶつかるでしょう。
兵曹長も、前からそれに気がついていました。綱のゆるくなったのを幸いと、兵曹長は今だとばかり満身の力を腕にあつめて、綱をよじのぼりはじめました。
2
部下をうしなったかなしみと、はげしい風力とにたえながら、わが勇士小浜兵曹長は満身の力をこめ、えいえいと綱をのぼってゆきます。
幸いと、こういう綱のぼりは、艦上でうんときたえてある兵曹長です。彼はみるみる上にのぼっていきました。飛行機の腹が、もうすぐそこに見えます。
そのころまで水平をたもっていた飛行機は、急に翼をかたむけました。